エルアーク情報局ﾘｻﾞﾙﾄ集　ﾙｸﾚﾁｱ物語

辺境の街

「あなたは?」と聞くを選択

「いまはそれどころじゃないな。――引き揚げるぞ!」

　ﾘｰﾀﾞｰのﾘｭｳｼﾝが声をはりあげるとｵﾚﾝｼﾞのﾊﾞﾝﾀﾞﾅのﾃﾛﾘｽﾄたちは撤退をはじめた。

「ねえ、どこ行くの?」

　無邪気に問うｴﾙﾆﾉ。ﾘｭｳｼﾝはｴﾙﾆﾉにはこたえず、わたしとﾓﾙﾄの方をむいて言った。

「あんたらにも、きてもらう――やつらが起きないうちにな」

　　　　　　***

　街の外の街道のはずれ。

「ｵﾚの名はﾘｭｳｼﾝ――ﾚｼﾞｽﾀﾝｽ組織“ｺｷﾞﾄ”の代表。ま、いわゆる指導者ってﾔﾂだ」

　ﾘｭｳｼﾝはそう言って、ｵﾚﾝｼﾞ色のﾊﾞﾝﾀﾞﾅを巻きなおした。
　身体は大きくないが、歴戦の傭兵といった体の、機敏そうな男。ひげは剃っていて、小ざっぱりした容貌だった。

「そしてあんたたち3人は、あたしらの捕虜ってわけ」

　ﾃﾛﾘｽﾄの女性が、ﾓﾙﾄとわたしに銃口をむけた。

「――逃げるのは簡単だが」

「あんたは文字どおり、聖公庁に楯ついたんだ。ここから逃げたって、いまや共和国じゅうのおたずねﾓﾝだぜ」

　ﾘｭｳｼﾝにさえぎられ、ﾓﾙﾄは押しだまった。

「話はたっぷり聞かせてもらうさ――先の“大戦”の英雄。ﾙｸﾚﾁｱ陸軍特殊作戦群“ﾌﾞﾗｯｸﾍﾞﾚｰ”もと名誉隊長こと、ﾓﾙﾄ･ｸﾞﾗｯｽｽ少佐どの」

─End of Scene─