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ハギスの森
東の細い道(ユーレイタケ未所持)

 東へと続く小道を進んでいくと、やがて中途半端に開けた場所に出た。
 落ち葉の積もった地面は広場状に円く開けているものの、周囲の木々から伸びた枝は相互に高く絡み合い、 殆ど丸天井を完成させそうなまでに繁っていた。
 おかげで陽射しは細かい光の筋としてしか入っていない。逆にその分だけ木影がより色濃くなったような気さえした。
 歩く分には楽だし、見上げれば一応空も垣間見えるのだが、どうにも開放感に欠けている。
 湿った音を立てる草葉を踏みしめながら、薄暗い広場の中央近くまで歩いた時だった。

(……何かいるな)

 前方の藪の中、暗がりの奥に何かの動く気配があった。ハギスだろうか?
 だが、そうだとしても、これまでに見てきたハギス達とはどこかが違う。相手の姿は全く見えないが、 そう感じさせる何かがあった。言うなら、空気が重いのだ。
 ざわ、と風が葉を揺らす。
 その音で、この重圧の源に気がついた。今まで無意識に聞き流していた虫の声や鳥のさえずり、 そうした森特有の環境音が遠のいている。まるでこの広場を避けているかのようではないか。
 油断なく戦いに備えつつ、気配のする方向を見据える。
 じっとりと粘つくような緊迫の時が流れた。

 だが、緊張は意外な形で終わりを迎える。
 まんじりと広場で身を構えたSchelsを尻目に、がさがさと音を立てながら気配は遠ざかり――やがて、ふっつりと消えてしまった。
 間違いなく大物がいたはずなのだが……ハギスというのは根本的に臆病なのだろうか。あるいは、 単に無益な戦いを避けたつもりなのかも知れない。
 もし後者であれば、何かハギスの好物でも持ってくれば誘い出せるかもしれないが……。
 とりあえず、今回はこの辺りで引き上げるとしよう。

─End of Scene─


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