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ハギス牧場にて

サヴァンの庭
天秤、聖杯、そして聖筆後
ハギス牧場へを選択

 ゼネラルロッツからは2本の街道が西から南方面へと伸びているが、 牧場はちょうどその中間に挟まるようにして存在していた。
 シスター・コゼットが教会で言っていた通り、 そこに牧場があるのだと知ってさえいれば何の問題も無くたどり着ける場所だ。

 豊かな緑に包まれた緩やかな丘陵地帯には街道付近にのみ柵が作られているようで、 他には特に何もない。
 どこからどこまでが牧場なのかも良く判らないが、 ともかくこの付近でハギスが飼育されていることに間違いは無いようだ。

     ***

「おー、あんたらがそうか。お連れさんも先に来とるでなー」

 ハギス牧場の経営者らしき年配の男は、 ○○○を見るなりそう言って柔和な笑みを浮かべた。

「日中は大丈夫だで、あそこで準備でもしとるとえーよ」

 男が指差した方向に目を向けると、 林のそばに赤い屋根の小さな建物がぽつんと建っていた。
 他には建物も何もありはしないので、“お連れさん” ことマリーも多分そこで待機しているのだろう。

     ***

「あ、来て下さったんですね。助かります」



 建物に入ると、予想通りマリーの姿がそこにあった。
 有給休暇を取るというような話をしていたが、 彼女の装いは教会にいるときと何ら変わりはない。

「さぁ、頑張りますよー。ここにいるハギスは全部で509頭らしいです。 あ、509羽と数えるんでしたっけ? 匹?」

 数え方はどうでも良いが、結構な数である。
 増殖が起きたかどうかをいちいち確認するのも大変なのではないだろうか。

「それですけど、ここのハギスにはそれぞれ番号と名前を書いた黄色い札がついてます。 だから、違うやつが交じってくるとすぐに判るんじゃないでしょうか。 ちなみに名前は全部“ばあ”とか“べえ”とかそんなのばっかりで、 重複が多すぎて識別には役立ちません」

 なるほど、いわゆる認識票というやつだ。
 これなら、すでに増殖が起こったかどうかはハギスを見ていればそのうち判明する…… はずだ。
 当面は牧場内を巡回しつつ、ハギスの様子を見てまわることになるだろうか。

「ええ。で、異変の原因についてですけど……実は、手がかりは既にあるようです」

 マリーは○○○の反応を見るように少し間をおき、こほんと咳払いをしてから先を続ける。

「牧場主さんにお話を伺ったところ、なんと、 事件の翌朝に靴跡が残されていたとのことです。つまりこれは超常現象などではなく、 意志を持った人間の犯行である可能性が高いです!」

 つまりこの事件は……なんだ?
 誰かがわざわざ野生のハギスを捕まえてきて、 牧場内にそれを放して逃げている――そういうことなのか?
 イタズラにしても、わざわざそんなことをする意味が不明である。

「ともかく事件は夜に起こっているみたいですし、 しばらく待ちましょう。あ、その前に、牧場内の地形を偵察しておきますか」

牧場のやぶ蚊
牧場のやぶ蚊

     ***

 ――そして、夕暮れが訪れた。
 西に傾いた太陽は遠くフレビス山脈の彼方に沈みつつあり、 積雪のある峰と空とを茜色に染めている。
 その幻想的な色彩も、じきに峰の輪郭だけを残して闇に沈むことだろう。

「そろそろ時間……かな?」

 マリーが空を見上げて言った。
 涼しさを増した風が二人の間を通り抜け、ベールを脱いだ彼女の赤い髪をなびかせる。

「ちょっと広すぎるので悩みますが、とりあえずあの辺りで見張ってみますか?」

 マリーが牧場内で一番大きな丘の上を指差した。
 丘には小さな林があり、姿を隠しつつ周囲を見張るには適しているように思える。
 さて……ここからが正念場だ。

─See you Next phase─


次回行動選択
まだ決めていない
見張りを続ける
十字の刻印を使う


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