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剛力の歌劇場 |
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(戦闘省略) *** 「まぁ、こんかいのねじにこめられてたぶんは、こんなとこだな。んじゃなー」 ぶっ続けの演奏を終えた後。 紫色のオルゴールはそんな軽い台詞だけを残して、ばたむと蓋を閉じてあっさりと沈黙してしまった。 残されたのは、汗みずくになって舞台の上に座り込んでいる○○と、そして全く身動きしなくなったオルゴールの隣で気持ち良さそうに顔を紅潮させている歌子。その少し離れた位置には、別のオルゴール達が楽しげに会話しつつ自分達の楽器を片付けにかかっている。 「はー。やっぱりこの子はすごいね。○○もそうおもうでしょ?」 歌子は機嫌良さげにぽんぽんと閉じたオルゴールの蓋を撫でて、○○にそう訊ねてくるが、○○はもう言葉を返す気力もない。歌子と紫のオルゴール、そして中に人形を携える他のオルゴール達。その三者が、こちらに対して全く加減無く音の力をぶつけて来るのだ。しかも長時間。身も心も、紛うことなくボロボロだった。 「でも、○○もべんきょうになったんじゃないかな。この子の使う“古の歌”は、正統な奏法とは少しちがうかんじの曲だから、それがもしうまく○○の栞と繋がったら、○○も“古の歌”を原理述ってかたちで使えるようになると思うけど」 歌子はそう言うが、○○としてはあのオルゴールが奏でていた独特なテンポの曲。あれが自分に身についたような感覚は全く無かった。確かに、知らない類の曲を味わうという意味では勉強になったが……。 「そう? ……ん、そうだ。譜を書いてもらってたんだった。それの出来みてくる」 言って、歌子はとことこと舞台の端へと歩いていくと、最初からずっと歌い合いに参加せず、延々書き物をしていた人形から紙の束を受け取り、それに赤色の瞳をぼんやりと走らせて。 「あ、すごい。○○のこと、しっかり譜面の方にはんえいされてる。これなら、○○のれんしゅう次第でいけるかも」 あのオルゴールとの三度の交錯。どれも、それなりの手応えはあった。経過を記したであろう紙にも、それは明確な形となって書き残されているようだ。 歌子は軽く飛ぶような動きで○○の傍に寄ってくると、手にした紙束を○○の手元に押し付けてくる。 「これ、○○のね。あと、ちゃんと出来たお祝いに何かあげる。ちょっと待って」 歌子はきょろきょろと辺りを見回して、舞台袖等に転がっていた目に付くものを片っ端から拾い上げると、○○の目の前にどんと積み上げた。 「はい、おめでと」 こんなガラクタを貰っても、と苦笑しかけた○○であったが、しかしよくよく見ると、その積み上げられた物の中に、宝石や、今まで見た事もない品が混ざっている事に気づく。歌子は恐らく適当に見繕ったのだろうが、その価値は今回の出来事の報酬としては十分なものだ。 「それじゃ、また捩子を手に入れたら持って来て。捩子さえあれば、また“古の歌”をれんしゅうできるから」 *** (アイテム、スキル獲得内容省略) ─End of Scene─ |
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