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ファミリオ

少し休むを選択

丘の斜面は思ったより急で、 歩きまわっているうちに息が切れてきた。

「ちょっと休もうよ」
「運動不足だな」
「むっ!?」

きっとモルトを睨む。

「あー、疲れた」

おろした腰のすぐ横を、イオが指さして言った。

「あ、チューリップ!」

みると、緑色の花びらのチューリップがちょこんと咲いていた。

「緑色のチューリップってみたことがないんだけど、 もしかして新種じゃない?」
「そんなことないよ」
「そうかなぁ……」

納得がいかない気がしたけど、とてもきれいだったので、 球根ごと掘ってもって帰ることにした。

☆〇〇〇はグリーンチューリップを手に入れた!

『双子の丘』の斜面で、クローバーさがしを再開した。
「イオ、クローバーの葉っぱの意味って知ってる?  ――1枚めは希望、2枚めは愛、3枚めは敬虔。 4枚めは“未来”なんだって」

イオと話をしていると、モルトがくちばしをはさんだ。

「――“幸運”じゃないか?」
「えー、“未来”だよ」

モルトと言い争っていると、エルニノが「えへへ」 と笑みをこぼれさせながらやってきた。

「じゃん!」

エルニノがさしだしたのは、 まるで緑色のバラみたいに幾重にも葉っぱがかさなった ――クローバー?――みたいにみえた。

「あっ、エルニノ。これはね……」

村にきて、重度の世間知らずであることが発覚したエルニノ。
そっとさとすように、イオが言った。やさしい子だ。

「クローバーだ……」

――あれ?

「ねえセルリア、これってクローバーだよね?」

困惑した表情のイオから受けとったそれは―― たしかに円形をしたクローバーの葉っぱだった。
……ざっとみただけで、葉っぱが10枚以上あったけど。
にこにこしたままのエルニノ。

「……モルト?」

思わず助けをもとめる。
 モルトがそばにきて、『それ』を受けとった。
ためつすがめつしたあとで、ぼそっとつぶやく。

「十七つ葉のクローバーだな」
「ええーっ?」

みんなで顔をみあわせた。
それから全員、お腹が苦しくなるまで笑った。

─See you Next phase─







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