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ファミリオ

モルトと話をするを選択

「そろそろ、ファミリオにもどらなきゃ」

 あざやかな夕映えのなか、 丘を駆けおりる子どもたちを追いながら、モルトと話をした。

モルト

「エルニノってすごいよね――決して幸運な生い立ちじゃないのに、 いつも笑顔で、ほがらかで」

 エルニノのお母さんは、聖公の妹ぎみにあたる人だった。
 エルニノは祝福された子として生まれ、 すぐに聖公シエロさまの養子にむかえられた。
 でも、実のご両親は、エルニノが生まれてまもなく亡くなって――

「みんながいつもあんな笑顔でいられたら、しあわせだろうな」

 モルトの返事はなかった。
 彫りの深い横顔は、 まるで内省の奥底に沈みこむかのように凍りついていた。

「――モルト?」

「オレはな、あの子たちの未来のために戦っているんだ」

“コギト”の指導者リュウシンはそう言ってオレンジのバンダナをはずした。

 子どもたちはみんなで食事中だった。のこったのは、 モルトとわたし、それとリュウシンの3人だけ。

「イオが大きくなったとき、“よくもこの世界を、 イナゴに食い荒らされた牧場みたいにボロボロにして譲ってくれたわね!”なんて叱られないようにな」

 リュウシンはそう言って歯をむく。

「だから聖公と戦うのか?」

「そうさ。聖公庁の聖職者たちは自分たちの都合のいいように議会を牛耳り、民衆を搾取している。反対勢力は武力で鎮圧さ――メディアはまったく報じないけどな」

 彼はモルトにそう返事すると、わたしに視線をむけた。

 ――シエロさまに楯つく?

 ルクレチアの民にとって、衝撃的な言葉だった。

 でも、わたしはみてしまった。
 報じられない内戦。貧困。
 そしてファミリオの子どもたちの、瞳の輝き。

「モルト。あんたがともに戦ってくれると、心強い」

 彼はモルトに、まっすぐな視線を投げた。モルトは目を伏せた。

「――ダメだ。オレにその資格はない」

「いや。すでにあんたは、オレたちに加勢した」

「それは……」

 そのとき集落のはずれで、ちいさな悲鳴とざわめきが起きた。

─See you Next phase─







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