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円環の広間

 ○○は城のエントランスにある台座、地下とを結ぶ昇降機を使い、“円環の広間”へと移動する。

「来たかね、“迷い人”殿」

 下からの声。どこかユーモラスな姿形をした錫《スズ》製の巨大人形が、 口元からぼふりぼふりと白い煙を漏らしながら軽く手を振る。
“箱舟”の住人の中で、この広間と、世界を収める書物、 “群書”を管理する役を務めているのが彼、“准将”である。


「それで、今度はどの本に入るつもりだ?」

 腰につけた鍵束、群書が格納された各部屋への扉を開く鍵達をじゃらりと鳴らして、准将が訊いてくる。

 現在、“仮記名”が可能な程にエルアークとの同期が安定している群書世界は、准将曰《いわ》く二つ。
“サヴァンの庭”と“ラストキャンパス”だ。

 加えて、“ジルガ・ジルガ”への初記名を済ませているならそちらへ行く事も可能。
 更には、准将所有の単書に入るという選択肢もある。

 さて、向かうとするなら──。


─End of Scene─



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