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エルアークストーリー
彼らの始まり

彼らの始まり

 エルアークの地上部に聳《そび》える巨城、“白と緑の城”。
 そのエントランスで、二人の人物と鉢合わせした。

「お、〇〇じゃん。ちーっす」

「…………」

 エンダーは軽く手を上げて挨拶してくるが、隣に立つアリィは無言のまま、 目を一度瞬かせて僅かに首を傾げるだけだった。 その態度にももう慣れていた〇〇は大して気にせず、今から何処かに行くのかと彼らに訊ねる。
 最近の彼らの行動パターンから考えると、鬼腕の居る“荒涼の船尾”か、老師の居る“竜頭の樹上”か。もしかすると、新たに奏法の指導を受けるとかで “鳥姫の巣”へ行く予定、という線も考えられるか。
 〇〇が然程深くも考えず適当に予想を述べるが、 エンダーはそのどれもに首を振る。

「んや。この前、やっとこさ鬼腕のオッサンと老師の爺さんからお墨付きが出てな。 そろそろ本格的に“本の中”に入るかって事で」

 言って、エンダーは視線を〇〇の方から外し、エントランスの一角を見る。 そこにあるのは城の地下へと続く昇降台だ。“群書”を収める“円環の広間”。 そこが今日の彼らの目的地らしい。

「お墨付きが出たつっても、群書ってトコについては口での説明しか受けてねーし、 今回は取り敢えず軽く覗いて様子見って奴だな。結局、 アリィの言葉遣いも完全に矯正できてねーし。な?」

 エンダーが話を振ると、アリィは無表情のまま一度二度と目を瞬かせ、 そしてのろのろと〇〇とエンダーの間で視線を彷徨わせて、

「……ん。ごめん、なさい?」

 少し眉を寄せ、困ったように呟くアリィに、エンダーは頬を掻いて苦笑する。

「あー、わりぃ。別に責めてるって訳でもねーんだけどな。 俺から話振っといてなんだけど、ゆっくりでいーよゆっくりで──って、 そーだ!」

 そこまで言って、エンダーは何かに気づいたようにぽんと手を打った。

「今、〇〇に会えたのは僥倖《ぎょうこう》かもしんねーな。なー〇〇、 都合良ければさ、一緒に動かねー?」

(ふむ?)

 突然の提案に面食らう〇〇に、エンダーは畳み掛けるように言葉を続ける。

「こっちはあれこれ話だけは聞いてっけど、まだ群書ってか、 本の世界の事は判んねーことだらけだしさ。だから、経験ある “迷い人”が付いてくれると色々と助かるかもってな。 丁度いいからあれこれ教えてくれよ、先輩さん」

「…………」

 それは──確かに、悪くないかもしれない。
 彼ら二人がそれなりの力を持っているのは、 老師や鬼腕の処での出来事で判っている。一緒に行動できるなら心強い。

「一緒……〇〇も?」

「ん、嫌とか?」

 小さなアリィの呟きをエンダーが拾い、訊ねると、 しかし彼女は薄く一度首を振る。

「判りませぬ」

「そ。なら、それを判る為にも一緒に動くのは悪かないだろ」

 にやにや笑うエンダーを、アリィは言葉も返さずじっと見るだけ。言葉の通り、 良く判らないというだけで別に不満では無いのだろう。

「さて、んじゃ行きますかね」
「あい」

「あい、じゃねぇって姫様言ってただろ」

「……はい」


     ***

 エンダー、アリィと一緒に行動することになった!

─End of Scene─


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