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黒星の玩具箱2

【備考】
エルアークの黒星の玩具箱2回目以降

 エルアーク左側面から伸びた空中水路の先。箱舟の左前翼を形成する小さな島に、 塔のような形状の建物が一つ。
“玩具箱”と呼ばれるその建造物は、言ってみれば“エルアークの物置”だ。旧時代の遺物や、 “落丁”等によって偶然こちら側に現れた品。 そして本の世界から人為的に物体を引き出そうとして──失敗した品物等が、 無秩序に積み上げられ、詰め込まれている。

 旧時代の遺物と聞くと、何やら超常的な力を秘めた凄い宝物が盛りだくさん、 というイメージを持ってしまうが、旧時代に創られた品は、 世界にその当時にのみ満ちていたという力を利用したものが多く、 大抵はガラクタの範疇を出ないものだとか。
 勿論、中には長い時を経た今でも強い力を保ったものや、 そういった不可思議な要素に頼らない逸品というものも存在するのだが、 そういった品々も挿入栞との縁を繋ぐ技術──“関連付け”が難しく、 何やら特殊な素材のようなものが必要らしい。

 玩具箱へと近づき、すっかり古びた大扉を押し開く。木霊達が幾度か補修した痕が残る、 独特な色合いの金属扉が軋む音を立てて奥へ。
 中は暗く、かびた臭いが鼻腔をくすぐる。側壁上部に開いた複数の小窓と、 今開いた扉から差し込む光が数少ない光源。
 白と黒の斑に染まる建物の内部は、兎に角物が溢れて混沌としており、 この中に居る筈の“玩具箱の主”を探すのも一苦労だ。

「さて」

 ○○は小さく呟いて、暗がりに目を凝らす。
 その主殿。鼠人の小男が手早く見つかると良いのだが。

     ***

 暫くうろうろと玩具箱の中を歩き回っていると、

「おんや。○○さんすか?」

黒星


 ガラクタの山の陰からひょい、と。探し人であった鼠人──黒星が顔を出した。

(何とか見つかったか)

 と、○○が安堵した瞬間。
 身体を出した拍子に、その何処かが直ぐ傍の山に接触して、 辛うじて保っていた均衡を崩したか。彼の直ぐ傍に聳《そび》えていた山の一角が、 がらがらと音を立てて崩壊した。

「おおうー!?」

 などという声と共にガラクタの波に攫《さら》われ、黒星の姿が一瞬にして埋もれていく。

(おいおいおい)

 ○○が慌てて駆け寄り、何とかその崩れたガラクタの山の中から黒星を引っ張り出す。
「う、ぐぐ、酷い目に遭ったっす……。やっぱテキトーに積み上げてるだけだと危ねーでやんすね」

 まだ目が回っているのか、ふらふらしながら立ち上がる黒星に、○○は溜息。
 そう思うなら、せめて少々触れたところで崩れない程度にはモノを整頓しておけば良いものを。

「いやー、一人だとこれが中々。○○さんが手伝ってくれるんすか?」

 何度でも埋もれてしまえ。

「ですよねー。……で、今日は○○さん、どうされたんす? 何か自分に直接御用でも?」

 ぱんぱんと身体についた埃《ほこり》を払いながら立ち上がる黒星に、 ○○はさてどう答えるかと考える。

「あ、“存在の紙片”をお持ちなら、ささっと今から変換させて貰うっす」

     ***

 ○○は『存在の紙片』を所持していなかった。
 ○○が現在保有している存在干渉力は1だ。

─End of Scene─



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