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デルシャール邸



 ボーレンス地方の有力貴族、ルブター・デルシャールの邸宅を目指して散歩してみることにした。
 ……と言っても、ルブター氏は先日の一件にて“病死”している。
 遺書もなく、法定相続人が存在しなかったことから、 彼の屋敷を含む資産はベルン公国に帰属したらしい。
 無人の廃墟と化した広大な土地は今でこそ綺麗なままだが、 これまで通り整備が続けられるはずはない。
 やがて山林の一部として埋もれゆくのか、あるいは、 競売にかけるなどして処分されるのか。
 いずれにせよ、もはやこの先で特別な発見があることは無いだろう。

     ***

 やがて、道の先にむやみに広大な複合庭園が見えてきた。
 ここを抜ければデルシャール邸に到着するはずだが、 財産が全て差し押さえられた今、そこは単なる廃墟でしかない。
 行くだけ無駄というものだ。
 適当に庭園を見物したら、さっさと町に帰るとしよう。

いけすの中に
養殖ザリA [前衛]
HP:50/50
養殖ザリB [前衛]
HP:50/50

戦闘勝利

☆〇〇は養殖エビ肉を手に入れた!


     ***

 やたらと池の多い庭園では大量のエビが飼育されていた。
 なるほど。ここで養殖したエビをフライにして常食していたに違いない。
 だからこの家にはエビフライの好きなやつが――。
(……あれ)
 そういえば、番犬のミケランジェロはどうなったのだろう?  もし放置されていたら『ボーレンスの町に黄色い化け物が出るぞ』 などという事態になりかねないが、今のところそんな噂は聞いていない。
 あれも財産の一部ではあるから、国によって処分されたのだろうか?
 あの生物に里親が見つかるとは考えられないし、可哀想だが仕方の無い結末かもしれない。
 〇〇は少しばかりの感傷を覚えつつ、ボーレンスへの帰路につくのだった。

─End of Scene─






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