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ﾃﾞﾝ･ﾄﾞｰ未選択時

特に何もせず、ﾎｰﾙでぼーっとして時間を潰すことにした。 　普通なら考えられないことだが、 ここには黒猫商会の監視員など存在しない。 　故に、ｻﾎﾞろうと思えばいくらでもｻﾎﾞることは可能だった。 ただ、それでは永遠に脱出不可能だというだけだ。 　ﾎｰﾙの片隅に腰掛けて、ただぼんやりと周囲を見つめて時が 過ぎるのを待った。 　他の被収容者たちは皆自分なりのﾗｲﾌｻｲｸﾙを持っているようで 、しばらくすると皆次々にﾎｰﾙを離れ、調査区や地底湖、 あるいは希望の門の方へと散っていった。 　人気が無くなるにつれ、もともと大してにぎやかでもなかった ﾎｰﾙは次第に地下洞窟本来の冷たい静けさを取り戻していく。 　寂々とした空気の中で聞こえてくるのは遠くからの作業音と、 反響して内容の聞き取れない微かな話し声ばかりとなった。 　漫然と薄闇を眺めつつ、○○はあることに考えをめぐらせていた。 　今自分が置かれているこの状況は、ある意味“街中の静かな場所にいる” と言えなくもない。 　……ならば、ここから直接ｴﾙｱｰｸへと戻ることが可能 なのではないだろうか? 　確かに“街”と呼ぶには微妙な区域だし、 ちょっとばかり地下ではある。だが、試してみる価値はあるかも知れない。 やるなら、今だ。 ─End of Scene─

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