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脱獄 |
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半月が神秘的に輝く深夜。ついに、計画を実行に移す日がやってきた。 賛同してくれた労働者の協力のもと、僕とスズは空気ダクトをつたい、中庭への脱出に成功する。 ここからは労働者の協力はない。僕とスズ、ふたりで道を切り拓くしかない。 管理モンスターがうろつき、サーチライトが揺らめく中庭の物陰からあたりをうかがう。 一瞬のスキをついて、門に到達する。 この門が脱出計画の最後の難関だ。 僕はこの門を通って、この工場へ運ばれてきた。 そして今僕は、再びこの門から外へ出ようとしている。 暗闇の中、僕は扉の横に設置してある開錠ボタンに手を伸ばす。 そのとき、僕たちは強烈な光に照らされる。 とっさに振り向くが、まぶしくて何も見えない。 慌てて手をかざすと、そこには工場内の巡回用ジープが見えた。 しかし、その一瞬が命取り。 ジープから監督者や監視モンスターがぞろぞろと降りてきて、僕たちは完全に包囲された。 包囲する監督者の中に、見覚えのある顔がいた。 僕たちが勧誘した労働者だ。 僕たちはうらぎられた。 奴は、自分の待遇改善と引き換えに、僕たちを監督者に売ったんだ。 こんなところで、失敗したら、懲罰房で殺される。 なにより、スズにいいとこ見せなきゃ! 僕は監督者が仕掛けてくるモンスターに立ち向かう。 追跡者 (協力者により変わる) 〜戦闘省略〜 モンスターを倒しても、倒しても、次々と新手を仕掛けてくる監督者。 工場にはまだまだモンスターが格納してある。 僕たちがここで力尽きるのも、時間の問題だ。 脱走なんて、やっぱり無謀な計画だったのだ。 戦闘による疲労と激痛で、僕の意識は遠のいていく。 辛うじて立っていられたのは、スズの前だったからだ。 でも、もう体が言うことを聞かない。 そのとき、突然巡回用ジープが暴走し始める。 パニックになる監督者とモンスターたち。 あっけにとられる僕たちが見たのは、ジープを占領した仲間たちだった。 僕たちが使った空気ダクトを通って、応援に来てくれていたのだ。 必死の形相で監督者を羽交い絞めにしながら、僕たちに「行け」と首で合図してくれる仲間たち。 スズはその様子を見つめながら、自分に言い聞かせるようにつぶやいた。 「みんなのためにも、私たちは計画を絶対に成功させなきゃ」 僕もスズの視線を追って、仲間たちが必死に抵抗する姿を見る。 寮からの脱走、監督者への反抗、僕たちへの協力。 懲罰覚悟で、彼らは僕たちをサポートしてくれた。 僕とスズは仲間たちの希望の星なんだ。 あまりにひたむきで懸命な仲間たちの姿に、僕はだんだん申し訳なくなってきた。 ごめん、仲間たち!ホントのところ、僕はスズのために戦ってる。 真実を知らないみんなの協力のおかげで、僕とスズはついに工場脱出に成功した。 ─End of Scene─ |
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