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冒険の基本 |
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『まだ決めていない』を選択し続けたとき
「……?」 坑道の中、○○は何者かの気配を感じて振り返る。今まで遭遇したものとは異なる足音。聞き覚えのあるそれは、獣のものではなく、人の靴が鳴らす音だ。 一体誰だ、と考えて、誰だも何もないか、と○○は肩の力を抜いた。 そして道の向こうから姿を現した彼女に、自分の予想が間違っていなかった事を知る。 「こんにちは、○○さん」 現れたのは、○○の予想通り、黒ドレスに身を包んだ少女、ツヴァイだ。 この坑道は彼女が生み出した架空の世界である。そして設定は“危険な怪物が住み着いて放棄された坑道”。そんな場所に自分と彼女以外の人間が存在するのはおかしい。正確に言えば、居る必要がないのだ。 にしても、どうしていきなり姿を現したのだろうか。先程から声だけを自分に飛ばしてくるものだから、てっきり今回は暢気に高みの見物を決め込んでいるのだろうと思っていたのだが。 「ああ、それは簡単ですよ」 そんな○○の疑問に、ツヴァイは満面の笑みを浮かべて、こう返した。 「私が“危険な怪物”の役ですから」 は? 「同じところに長く留まらなければ遭遇しない。ちゃんと警告したのですけれど、○○さんはそれを忘れていた。若しくは、無視しても良いと考えた」 固まった○○の方へと、一歩、黒衣の少女が近づく。 「冒険では、そういった些細なミスが命取りになる場合が多々あります。○○さんには、それをここでしっかりと味わっていただくとしましょう」 更に一歩。幼さが抜け切れない、小さな少女の身体から、異質な力が徐々に徐々に、しかし確実に溢れてくるのが見えた。 「では、いきます。──ふふ、本当に久しぶり。こうして、誰かと遊ぶなんて!」 危険な怪物 戦闘省略 *** そして気づけば、○○は濃い藍色の空の中に浮かぶ煉瓦道の上に立っていた。 目の前には場違いな黒板が一つあり、そしてその隣には、金髪の少女がにこにこと笑ってこちらを見ている。 ○○の視線を受けて、少女はその笑顔を少し深めて、 「はい。おかえりなさい、○○さん。──どうでしょう、冒険というものを肌で感じることは出来ました?」 「…………」 至極晴れやかなツヴァイの笑顔を、○○は半眼で睨む。何だか先程、物凄い目に遭わされた気がするのだが。 対して、ツヴァイはあははーと酷くすっきりした様子で笑い、 「御免なさい、ついつい興が乗っちゃってやりすぎちゃいました。○○さん。身体の調子は問題ありませんか?」 そういえば、先刻の戦闘で殆ど身動きできない程に傷を受けた筈なのに、 その痕が欠片も無い。そもそも先程の戦闘自体が完全な幻だったのか。 首を捻る○○に対して、ツヴァイはにこやかに笑い、 「だから言ったじゃありませんか。この自由帳の中では、 私は神様のようなものだって。貴方の傷を癒すくらい指先一つで簡単です」 「…………」 左様ですか。 「まぁ、今回は○○さんが私の忠告を受け入れなかった事に対してのペナルティ、 という事で。とはいえ、 場合によっては今回のように事前の警告を破ってでも行動しなければならない時もあります。今のは冒険の一つのパターンでしかありません。世界は無数、状況も無数。先程のようなものもその一つでしかありませんから、場面場面で、柔軟な行動を心がけてくださいな」 難しい話だ。 「そうですね。だから、ゆっくり焦らず、色々と試して、 学んでいくのが良いでしょうね。……では今度は何について御話ししましょうか」 ○○のレクチャーピックが没収された。 ─End of Scene─ |
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