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コロセウム[浅黄の鍵]


コロセウム

「鍵を持ってきた、というのは判った。では、 自分から軽く話をしておくか」

 単書『コロセウム』の、いつも最初にやってくる闘技場控え室。 〇〇と鬼腕は閉ざされた扉の一つ、 浅黄色の縁が入った大扉の前に立っていた。

「この先にある“イベント”は、所謂“王への挑戦”と呼ばれるものだ」

 ……イベント?

「イベントだ。『コロセウム』という物語のなかで、そういうタイトル、 そういう位置づけにある話。一つの闘技場を制覇した主人公が、 新たなる闘技場の存在を知り、 それぞれの闘技場を司る者達と戦い認められる事で、 その闘技場に常駐する権利を得る。筋書きとしてはそんな流れだったか」

 つまり、この扉を開けて進んだ先に待っているのは、 「先にある闘技場を司る顔役、王との戦いだ。確か三連戦し、 二勝か三勝すれば運営側から相応の賞品と、 そしてその闘技場での活動権利を与えられる。 多少の制限はあるが、 基本的には本の好きな場面に割り込める自分達からすると、 闘技場の活動権利など与えられても意味は殆ど無いがな」

 その話を聞いて、〇〇はうーむと口に手を当て考える。
 活動権利が無駄なものとすると、 目玉となるのは勝利した際の賞品くらいか。 これがどの程度のものかは判らないが、最低、 鍵を得るために黒星に出資した分を取り返せるくらいの収入になればいいのだが。

「後は、強い敵と戦う事ができるという点だな。 王というだけあって、どの者も中々の腕前だぞ。 運営側が用意した獣も居るが、そいつらもかなりの力を持っている。 相手にとって不足無いだろう」

 にしても、いやに詳しい。
 語る鬼腕を胡散臭げに見ると、 その視線に気づいたのか鬼腕は一度目を瞬かせて、 そして口の片側だけを歪めて不敵な笑みを作る。

「それは当たり前だ。自分は『コロセウム』の端から端まで実際に入り、 体感したからな。大抵の“王の挑戦”は既に終わらせた。 終盤の闘技場の王達はなかなかに手強く、いい経験をした」

「…………」

 こういっては何だが、本当に暇なのだなこの竜人。
 呆れた口調でそのまま言うと、しかし鬼腕は気分を害する事もなく、 逆に笑みを深めて、

「だから、お前のような者には期待している。 自分の相手となるに相応しい高みにまで至ってくれる事をな」

 暇潰しの相手を務めてわざわざ怪我をするのは御免被りたいのだが。
 素直にそう返せば、鬼腕はいかつい肩を器用に竦めてみせた。

「お前にしてみればそうかもしれんがな。──まぁ、 それで話は戻すが、この先へと進めば三度の連戦となる。 それに対する準備は終えているのか? 鍵は使い切りだ。 一度扉を開けば連戦を終えるまで戻ることはできないが」

(……ふむ)

 さて、どうするか。
 今回は止めておくか、それともこのまま先へと進むか。

@続きへ


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