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アガタを誘う1 |
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【備考】 廃棄倉庫(入口から南の地点) 行きついたのは、ごく小さな天窓しかない、薄暗い部屋だった。 目を凝らしてしばらく立っていると、大きな障害物くらいなら避けられそうなところまで見えてきた。 更に目を凝らした、その時だった。 薄暗い闇の中から、モンスターの襲撃だ!! (戦闘省略) モンスターを倒し、一息ついたその時。 右後方から、ごくわずかな金属音がしたような気がした。 僕はすぐに振り返り、その方向を凝視した。 「へぇ〜。極力、気配は消したつもりだったんだけどな」 物陰から、20代後半くらいの中肉中背の男が姿を現した。 「あなたが――」 「俺はアガタ。普段はスギヤマと一緒に活動している。スギヤマから話は聞いている」 僕の言葉をさえぎり、一方的に話し出す。 「で? 脱出計画だったっけ? 俺に協力しろって話だったよな?」 正直僕は、カチンとすらきた。 自分の調子を崩されるのはあまり好きではないし、何より失礼じゃないか? 僕は自分の名前すら名乗っていないのに。 でもそこは、ぐっと堪えなければならない。 自分のため。スズのため。全ての労働者のため。 僕が歯をくいしばっていると、アガタは僕の目の前まで近づき、顔を覗き込んできた。 「聞いてるか? 俺の力が必要なんだろ?」 僕はアガタの目を見据え、「そうだ」と大声で言い放った。 広い天井で、僕の声がわんわんとこだまする。 「そうデカい声出すな。分かったって」 アガタはにやけた顔で、こう続けた。 「じゃあさ、俺に『治療薬』をくれよ。そうしたら協力してやってもいいぜ」 うわ、調合しないと出来ないヤツか……。 僕は相手に遠慮せず、露骨にイヤな顔をして見せた。 「まぁまぁ。お前ほどの力の持ち主なら、大した事ないだろ。俺が手に入れるのは、 ちょっと大変なんだ。だから頼みたいんだよ」 嘘かホントか、意外に謙虚な面も見せる。 「実は俺、持病持ちなんだわ。この体には、ただでさえ工場の労働はキツい。 その上、脱出計画に協力するとなると、それくらいの薬ナシにゃキビシイんだって」 なるほど、そういう事情なら分からないでもないが……。 さて、どうしようか? ─See you Next phase─ |
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